私が舞台を好きな理由

今日は私の大好物、舞台について語りたいと思います。なんといっても、

舞台は総合芸術‼️そして一回の新鮮な生き物である

ということです。舞台と観客という明暗のすっかり別れた方向性のある中で、一時間以上を観客の立場で舞台を観賞することの楽しみ。それは以下に尽きると思います。

1 出演者のその舞台一回にかける思いを感じるのが好き
2 非日常の世界にひたり、何らかの知見や感じとれるのが好き
3 作者の演出意図・出演者の演技意図を想像するのが好き
4 音や視覚の美しさなど表現を五感で感じて感性にinputするのが好き

また、現在は主に娘の発表会のお手伝いなどに関わり、さらに昔は、演劇や発表会出演の経験も何度か、作る側の醍醐味はそれはもう充実感と達成感が建築物の完成にも勝るとも劣らないのです。しかし今回は観る側としての話に終始し、この夏にみた作品をoutputしますね。

第16回 朗読の日-於銀座 博品館劇場


この初夏にお誘いを受けて行きました。1人あたり5分から10分くらいの朗読が徒然とつづく舞台。それぞれの方の作り出す世界を、堪能。
聴覚と視覚を、朗読と【身振り手振り】だけでほぼ表し、照明や音響はあくまで脇役。
これを6月19日 (朗読の日)ということで16回も続いている「朗読の日」という舞台。つづられる日本語に、国際的な世の中にあっての日本語の良さ、母国語の良さもとても感じました。

お誘いを受けた友人(=出演者のお一人)の出番は、医師「日野原重明氏」と病で死んでしまう少女との会話、死んでしまった後の医師の悔いと今後への決意 がテーマの朗読【『ぼくは頑固な子どもだった』より「16歳の少女の死」】という作品。ときには医師になり、時には少女になり、背景にある少女の母についての物語を挟み。。と一人何役にもなっていました。出演者自ら作曲の即興ピアノ曲や青い照明などとあいまって、心の移り変わりが手に取るようにわかると同時に、この題材を選んだ友人の凛とした気持ちもわかるような気がしました。

朗読だけの舞台というのは、言葉とその抑揚、間、という究極の研ぎ澄まされた感性を必要とします。その表現力自体に、3 作者の演出意図・出演者の演技意図 がはっきりと表れてきます。友人も曰く、クライマックスの医師と少女の表現について、演出家の先生とご自分の解釈の違いに葛藤し、当日の公演を迎えたのだとか。うん、分かる。そうだよね。それだけ掘り下げてこの1回があるんだよね。と納得しました。

他にもウガンダ元大統領のノーベル平和賞候補にも選ばれたという【世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ】。恋心の心の襞をつづった瀬戸内寂聴さんの作品【枯蓮】、同じ恋心でも激しく熱くときに笑いを誘う【通天閣】という大阪弁の作品。さらに奥の細道や芥川龍之介作品、、など、それを選んだ出演者の方々の意図を感じながら、つぶ揃いの宝石箱を開けるように、とても贅沢な時間を過ごしました。

コーロマグノリア 1stコンサート(合唱) 於紀尾井ホール


こちらもお誘いを受けて行ってきたのですが、合唱というマスの表現、音圧を感じながらも、終始品のある美しさを纏った、曲それぞれの作者の思い、演出の先生の表現力、歌っている皆様の内に秘めるパワーや楽しさを堪能してきました。
特に【女声合唱とピアノのための 三つの詩編】は、旧約聖書中の詩編をモチーフに、絶望の中でも力強く生きる人間たちへの慈しみと神への感謝、憧れ、賛美 を表現しているとのことで、苦悩、葛藤、昇華の表現が、難解な、予定調和でない重厚な旋律に現れ、そこが宗教的に感じました。
他に作家やなせたかしさんの言葉選びの面白み、コミカルさにメロディが乗った、独特の世界(たとえば「犬が自分のしっぽをみて歌う歌」等)の面白さ。
ジャズ【A Little Jazz Mass】は衣装も思い思いの格好のいい粋でお洒落なパンツ姿に変身し、リズミカルに躍りながらの歌が、自由さや陽気さ、大人の余裕を感じました。
観るものを飽きさせず、かつ何れも完成度の高い合唱。女声の高音な合唱は、目をつむって聴くと本当にうっとりと、世界に浸れますね

宝塚雪組公演「凱旋門」「Gato Bonito!!」 於東京宝塚劇場


宝塚の公演、そのよさは、最初に舞台芸術の魅力に挙げた5項目以外にも、
1)分かりやすさ(表現がダンスや歌や演技と幅広い)
2)圧倒的なきらびやかさ
3)音響(生演奏)衣装(専属スタッフ)演出(専属)(装置(専属)と、妥協のないパワー全開
4)生徒さん(と出演者を呼びます)の顔と名前、声を覚えると、彼女たちの成長を一緒に応援している気持ちになる
5)女性が演じる理想の男性が美しい

というところかなあと感じます。

今回は雪組公演【凱旋門】パリの、第二次世界対戦前を舞台としたお話。主人公は亡命者ゆえ不法入国状態、もぐりで外科医として生きているが、あるきっかけで恋に落ちるが、警察につかまりその恋も危うくなり、、というお話。設定に無理がないか?と冷静には思ってしまうな、(原作は小説ありでした、だいぶ変更があるかしら変?)しっとりとした舞台全体のトーンが雨のパリの街角をイメージし、主人公専科の轟悠さんと相手役真彩希帆さんの心の襞の表現が見事。まるで舞台の彩度を押さえた色合いも、フランス映画のように(実際舞台はパリだが)という感覚ぴったりで進行。
いまの雪組トップ二人は(トップの望海風斗さんはこのお芝居では二番手役)とても歌が上手なので、安心して引き込まれる。
私は宝塚に目がないので、主な出演者は顔、場合により声でわかるので、ああこの役は誰、この役は誰、いまの雪組はこういう人選ラインナップね、と確かめていきました。そこも観劇側の醍醐味なんです、宝塚って。

さらに幕間挟んだショー【Gato Bonito!!】の感想です。
トップさんからイメージする[猫]をテーマにしたショー。猫ふんじゃった、とか、バレエでもある猫の役の手のポーズのが何度も出てきます。
歌い次がれるシーンごとに、誰さんの華やかさや勢いは相当、迫力や見栄えはこちらの方が凄い、、とか、マニアックに観ていました。
サンバカーニバルぽい場面、宝塚ファンにお馴染みのクンバンチェロ、ラインダンスもありだけど、例えば[ヤー]でしめたりするところが[にゃお]の掛け声とかだとちょっと面白いこの公演。犬や、他の動物が出たらどうなんだろう⁉️ライオンキングになってしまうかな、などと考えていました。
トップの望海風斗さん、私は花組の頃から好きで、舞台上も好きだけどご本人の宝塚大好き熱が凄く、その宝塚愛を専門チャンネルでも特集したほどなのので身近に感じた宝塚ファンも多いはず。その彼(彼女)が、真面目一本の望海さんが、アドリブもちゃんとこなして立派に羽根背負ってる、と成長を楽しむ感激の最後のパレードでした。

というわけで最後宝塚で相当熱くなってしまいましたが、また舞台観劇の機会があったら書いてみたいと思います。

百聞は一見に如かずと申します。是非色々な舞台をご覧になってみてください。

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