注文設計前に目を肥やすシリーズ③床材に着目!-マンションの床フローリングに潜む問題

 先日は、床フローリングの選び方①をお伝えしました。今回は床フローリングの選び方その2です。

マンション床の騒音とは

 たまたま、現在マンションの床張り替えのご相談を受けています。マンションには、管理組合の規定により「LL-45」「LL-40」などの床衝撃音遮音等級が求められることが多いのです。これは何かというと、要は下の階への騒音防止策です。

 そもそも、床の衝撃音対策としては大きく2つに分かれます。

  1. スプーンを落としたなどの軽い音  →対策:床仕上げ材を軟らかいもの(じゅうたん等)とする。床衝撃音遮音等級(LL値)を満足する材料・工法を使う。
  2. 飛び跳ねなどの重い音 →対策:一般に重量が大きい材料ほど遮音性能は高くなるため、床スラブ(構造体のコンクリート)を厚くする。LH値を満足する材料・工法を使う。

リフォームの場合は、2.はすでに構造体として決まってきているので、主に1.で対策することになります。(厳密には2も構法によって多少対策できます)

 今回は、カーペット敷きからフローリングにしたいというご要望。管理組合の規定による遮音等級は「軽量床衝撃遮音等級LL-45を取ること」でした。(ちなみにこの数値は小さいほど遮音性能がよくなります。また、2008年から業界では別の表記LL-40→ΔLL(I)-5  LL-45→ΔLL(I)-4を使うことになっていますが、管理規約ではLLのままのところも多いです。)

フローリングで遮音等級をとるコツ

 今回のリフォームではご提案を3つ考えられました。

  1. 遮音性能のないフローリング+遮音性能をフェルトシート材で取る
  2. フローリングに遮音性能のある裏打ち材の貼ってある製品を使う
  3. 床を二重床にする(置床材で遮音性能をとる)

 順番に説明すると、1は、アトピッコハウス:「わんぱく応援マット」という製品のような、遮音性能の取れているマット材料をコンクリート床の上に貼り、その上にフローリング材を貼るというものです。この場合のメリットは、フローリング単体に遮音等級がとれていなくてもできる工法なので、フローリング自体の選択肢が広がるということです。このためそれこそ無垢フローリングなど、インテリアに合わせた様々な材料を使うことができます。一方、多少いままでの床よりも高くなることが多く、メーカーホームページにもあるようにドアの開き方や敷居の高さなどとの調整が必要となってくる場合があります。

アトピッコハウスホームページより

 2は、フローリング材に裏打ちされてクッションシートがはってある製品を使うということです。一般的なマンションの床の竣工時は、こちらで仕上がっていることが多いです。この場合の最大のメリットは、コスパがよいこと。1つの材料を敷けばよいため、単純に工事期間も減り運搬費等が減ります。一方1と違って材料の選択肢は限られてきます。商品としては朝日ウッドテック「ネダレスシリーズ」(複合フローリング、表面は無垢材)のようなものがあります。

朝日ウッドテックホームページより

 3は、床の高さをある程度上げる必要があるときに使える方法ですが、コンクリートの構造床の上に空気層をとった二重床とし、仕上げ床を支える部分の束に遮音性能を持たせる工法です。1と同じく仕上げの床フローリングには制約がなくなり選択肢が増えること、床を上げることによる空間の確保のため、排水ルートを新たに確保できたり、他の部屋との床段差をなくしバリアフリーにできる(掃除もしやすく「ルンバブル」になりますね)など別のメリットもあり、大規模な水回り位置を変更するようなリフォームなどに向いています。金額は一番高くなります。

万協フロアーホームページより

さて、今回の選択は?!

 さて今回は何を選んだでしょう答えは2 です。そもそも、今回の床は構造体のコンクリートの上にモルタル等でレベル(高低差)を調整し、その上にカーペットの貼ってあるいわゆる「直床」でした。玄関たたきとの差は30mm弱。そして、リフォーム条件としては一部屋のみの改修で二重床にまでする必要がないこと。もともとバリアフリーでルンバブルなので、現状の床レベルを変えないことが必須条件だったこと。ここから3は消去されます。あとはコスパの問題や他の部屋の床やドア枠との見た目と高さのバランスなどで2となりました。

 このように、実際の選択には総合的な判断をすることになります。迷った場合には是非専門家の意見を聞くこともしてみてくださいね!

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