仕事を考えることは、人生を考えること。ー夢を叶える夢を見た

 脚本家・内館牧子さんが「私の青空」(田畑智子の出世作)という連続テレビ小説の脚本を書いていたのをご存知でしょうか。もう20年近く前になります。私はこのドラマ、リアルタイムで結構涙しながら続きを気になり観ていました。小学校1年生の男の子と二人で暮らす主人公とボクサーの元旦那さん(結婚式で失踪・・)とそれを取り巻く物語。


 そのテレビドラマの傍ら、内館さんはこの本で生身のボクサーさん、ボクシング事務所にどっぷり取材されていました。「ボクサー、相撲取り、編集者」・・という、一見華やかで、実は「実力勝負の仕事」に挑んだ挑戦者たちなど、夢のために「飛んだ」(転職や起業した)人と「飛ばなかった」人それぞれを丹念に取材した本書。

 脚本家ならではの微に入り細にわたる心理描写で、それぞれの揺れる心と人生の結果を掘り起こしています。人生の詰まった、深い、深い、本です。

 私自身、人生の転機に思い起こす本は「7つの習慣」なのですが、そこに通じる、最終的には死生観につながるのが「生き方」なのだと改めて感じました。

目次

飛ぶのに不可欠なものと飛ばないのに不可欠なもの

内容に少しふれますと、

▫飛ぶ(転職・起業する)のに不可欠なものとして
才能(好き、は最低限の才能、教えることが不可な領域を教えなくてもできる能力)
性格(深く考えない、見切れる、自信がある、好戦的)
(努力と我慢で運を引き寄せられるということも有り得る)
家族、周囲の賛成

飛ばないために不可欠なものとして
冷静な適正判断
・いまの職場で将来的ビジョンがある
・恨
(コン・・・恨み、ではない。)

を挙げているところが逸脱です。そして同じ「飛んだこと、飛ばなかったこと」でも捉え方によってまるで違う、つまり性格(むこうみずで深く考えないか、慎重で冷静か)が、人生の転機を決める要素の1つを占めていることに著者は気づいています。

 同じことをポジティブに考えるかネガティブに考えるかでまるで違う。それもそのはず、 本の構成としては基本的には「飛んだ」「飛ばなかった」ことを「後から本人が振り返る」という時点で取材しているわけで、それだけ本人が仕事人生を納得してとらえているのかどうかの違いは、性格的な差としてあらわれるのだと思う。

飛んで後悔しないために

▫そしてもう1つ切なく重要なのが、(飛んで後悔した人)の章である。
後悔の原因は全てお金に纏わることである。飛ぶためにはお金の準備をしてからが必須だとよくわかる。「飛ぶ」のはハイリスクハイリターンなのである。

君たちはどう生きるか

 自分自身、そして子供を持つ親としても響く本です。自分のポジションはどこにあるのか。各人胸に手を当てながら、読んでおくのによい本だと思います。

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