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Q 壁の断熱材と二重窓 どちらを優先したほうがいいのか?[リフォームの注意点シリーズ]

目次

結論

A 結論から言うと、どちらもやったほうがいいです。逆にどちらかしかしないということは、温熱環境ががぐっと変わる部分をつくることになり、結露の原因にもなりかねません。

ただし、予算的に厳しい場合は窓を優先したほうがよいです。通常現時点で窓のほうが熱の逃げ方が多いためです。

「断熱・気密の基本と仕組み」 堀 清孝著(秀和システム)より

その理由、上の図をみても明らかなように、窓からの熱の出入りは家全体の相当な割合を占めるからです。

 仮にそういった窓だけの断熱性UPの工事を考えた場合でも、「1階全体の窓を二重窓(内側に窓をつける)にする」とか、「少なくとも区切れる部屋の窓(リビングダイニングからキッチンまでなど)全部を二重窓(内側に窓をつける)にする」温熱環境改善のためにどこまで工事範囲とするのが効果的なのかは、設計者や工務店など専門家と相談しながら決めたほうがよいと思います。

家全体を魔法瓶のように

 さて、戸建ての場合は、壁だけでなくさらに、床下や屋根下に断熱材が入っていなかったり、入っていても大変薄かったり、場合により水がしみこんで用をなしていないことがあります。(特に築20年以上の戸建て住宅などは注意)断熱材を入れることで家の温熱環境が改善されます。つまり、エアコンなど冷暖房機器の機器具合がよくなるわけです。

・例えば寒いので「床暖房を設置する」ことはよくありますが、同時に床下に断熱材を入れないと、せっかくの床暖房の熱を大量に逃がすことになります。同時に床下の断熱材をいれることをお勧めします。

・一方、外の温度と中の温度が違う一番の理由は、「ガラスサッシ」から熱が出ていくことです。ですから窓を二重窓(内側に窓をつける)にすることは、断熱性、気密性を上げるもっともよい方法の一つです。

・二重窓にする予算がない場合は、現在「シングルガラス」であれば「ペアガラス」(中空に空気の入った二重になっているガラス)にガラスのみ交換をする場合もありますが、窓枠部分が改善されないままなので断熱性の向上の期待は二重窓にすることよりは低くなります

吹付断熱材を屋根と壁に施工する(新築の例)

・これら局所的な方法もある程度の効果はありますが、家全体を窓を二重窓にする、壁、床、屋根に断熱材を入れる、などで「魔法瓶のようにくるむ」ことで、断熱性能ははじめて、全体的にあがります。冬の温度が2.3度だった家も、10度程度にあがるでしょう。朝起きて暖房をつけて暖房のあるところで着替える、そこまでしなくても・・・となります。

マンションの場合は?

マンションの場合でも、同じように壁や窓の断熱性を上げる工事の効果はあります。もともと上下左右に部屋のあるマンションの中間階の場合には、その界壁(隣家との間の壁)や天井、床の構造壁に断熱材を吹く必要までは生じません。なぜなら、それら隣や上下階とも室内環境は人が住むのに適した同じような温度にすでになっているからです。

 なお、マンションは躯体が「コンクリート」でできているため、図のようにすでに蓄熱量があるため、戸建てよりは寒くないことは体感されている方が多いかと思います。このため外壁にも断熱材がない中古のマンションもよくあります。

 新築のマンションはさすがに断熱材は外部ににさらされている壁や屋根等に入っています。中古をご購入なさったりリフォームする場合には、やはり外壁や最上階の屋根・最下階の床にリフォームと同時に断熱材を入れることは効果的です。

 窓は、通常共有部分ですね。ですから個人の自由に変更することにはハードルが高く、先ほど述べたペアガラスに交換することなどが実質的にできないことが多いのですが、内側に窓をつける(二重窓にする)ことは専有部分の話となりOKとなることが多いのです。この対策により、やはりリフォーム前と暖かさに違いが出たという例を何例も存じています。

窓断熱はリフォーム減税の要件にも

窓や断熱材の工夫により、断熱性能をアップすることは、冷暖房の効きの向上につながるため、ひいては「省エネ」にもなります。もちろん光熱費は減るのですが、国全体としても地球温暖化防止政策として推し進めています。それが表れているのが「リフォーム減税」。以前ご説明しましたが「家全体の窓の断熱性向上リフォーム」は、減税するための必須条件になっていることからもわかります。

この機会に、家全体を「魔法瓶」にすることも考えてみましょう。今後の生活がぐっとすごしやすくなります。