「本×旅」佐渡建築紀行 中編-国策金山と「佐渡流人行」

 こんにちは。おりおん舎山本が2019年夏に行ってきた佐渡紀行、ハイライトはもちろん「金山」です。まずは写真をご覧ください。↓

目次

戦時中の国策金山工場!が異国のようになっている。

 分かりますでしょうか、こちら、金山諸施設の中の「北沢浮遊選鉱場跡」という場所に夕方行きました。ライトアップされ、さらにはライトの色が変わっています。こちら、なんとレインボー色になったり刻々と色が変わります。世界遺産登録へ向けた取り組みと思われますが、本当に幻想的な風景が広がります。

 昼間もこういう感じで公園のようになっているので、当時ー戦争のために国費をつぎ込んだ諸施設ーを眺めながら様々な想いが行きかいます。↓

 日本一の産出量を誇る、時代時代を常に引っ張ってきた金山。江戸時代の坑道、明治から昭和にかけての坑道、と何本か見学できるようになっています。冒頭のライトアップされた施設は、時代でいうと一番産出量が多かった、戦争中昭和10年代に稼働していた軍事工場とも呼べる施設。ダイナマイトで爆破し、出た岩片の中から金だけに選り分け・・最終的に金だけに精製していくと過程の中の、「選鉱場」というからにはその「選り分け」部分の施設でした。 

 見学した坑道はトロッコが走れるようになっています。ひんやりと肌寒いくらい。

 ↑これはトロッコに乗る作業員のヘルメットにつけた懐中電灯を一日分充電しているラック。組織的な工場であることが分かります。

手彫りの江戸時代

 さらに時代を遡り江戸時代は・・・。

 この割れ目のようになっている部分、金山の発見当初は手彫りで上から金脈まで到達していったのだそうです。

手堀りの時代の「煙孔」。酸素が不足し、また灯火用の油の煙を排出するために掘った穴だそうです。

ダイナマイトも電気もなかった江戸時代、最大の難関は地下水の湧水の処理だったようで、これは昔からの流刑地でもある佐渡、江戸から「無宿人」と呼ばれる犯罪を犯した者などを連れて行って一日中水汲みの仕事をさせていたそうなのです。

松本清張も描いた過酷な労働

そしてその「無宿人」を題材に描いた本がこちら↓

松本清張「佐渡流人行」 読みました。お話としてはいかにも清張さんぽい、人間の奥底の心理描写とストーリー展開をハラハラしながら読める感じではあります。

そして、この物語の迫力に拍車をかけているのは、やはり舞台となる佐渡金山が当時壮絶な肉体労働だったこと・・・・。是非旅行に行く前、そして行った後でも、是非背景や背景にまつわる話を読んでみてください。すごく理解が深まりオススメです。


 そして最後に、佐渡へ行くなら!お得情報は次回へ・・・

佐渡建築紀行 前編はこちら

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